長い梅雨が明けた日


今はもう宮下さんに嫉妬していない。

それどころか感謝したいくらい。


一人で勝手に勘違いして宮下さんに嫉妬した。

無自覚で嫉妬するくらいに河野が好きなんだと気付かせてくれた。


宮下さんって良い子だな…


話してみれば琴美と似た雰囲気の彼女に親近感を覚えた。


…二人とも電車に乗れたかな?


同じ方向の二人が、乗る電車の時間を話していたのを思い出した。


無意識にスマホで時計を確認しようとして気がついた。


右手に感じた温度。



いつの間にか、私は河野に手を握られていた。


俯いて考え事をしていたから?
少しだけ前を歩く河野に手をひかれて歩いていた。

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