長い梅雨が明けた日
俯いたまま、また考える。
どうしよう!手を離すべき?どうやって?
このまま気付かないフリしたほうがいい?
河野はなんで平気なの?私と手を繋いで歩いてるのを誰かに見られてもいいの?
軽く頭がパニックになったけど、もう一度チラリと繋がれた手を見た。
恥ずかしい…でも嬉しい。
私が考え事をしてるからか、河野は何も話さないでいた。
身に沁みてわかる。
優しい沈黙。
だから
数時間前の河野の言葉が気になった。
『中学の時から片思いしてる』
そう聞いたとき、同じ中学出身の子を思い出した。
『もしかして、香菜?』
咄嗟に思った微かな疑惑。
そう聞いた時に思いついた別の候補者。
もしかして、私?