長い梅雨が明けた日


何故か優弥を思い出した。

中学の頃に私を好きだと自覚した優弥。

私が好きだと告白してくれた。


だから、私も自覚した。

自分が一人の女だということを。



河野の好きな子。

それは…もしかして…?


繋いだ手がそういう意味なのか、単に私の都合のいい自惚れなのか。


気になる。

でも。

その前に。

ずっと気になっていた事を聞きたくなった。

もしかしたら、これも無自覚の私の嫉妬かもしれないと思ったから。



繋いだままの河野の手が私に勇気をくれた。

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