長い梅雨が明けた日

どうしよう

言った方がいい?

言わない方がいい?


河野は優弥の親友だから。


「理乃、優弥に何か言われた?」

河野の声に身体が反応する。

繋いだ手がピクリと動く。


「理乃?」

河野の手が私の手をギュッと強く握る。


『ちゃんと言って』

そう言ってるように思えた。



「…告白された」


河野に聞こえるか聞こえないかわからないくらいに小さな声。


「…」

「…」


そしてしばしの沈黙。


聞こえなかった、かな?

聞こえなくて良かった、と心にフッと余裕が生まれた時に河野の手が離れた。


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