長い梅雨が明けた日
幼馴染みの彼
「優弥ごめん」
「……」
私を見た優弥が玄関先で固まった。
「優弥?理乃ちゃん来…って、どうしたのっ!?」
その優弥の後から顔を出したおばさんが私を見て驚く。
忘れてた。
鍵が無くて家に入れないからと優弥に電話したはいいが、全身びしょ濡れだということを言ってなかった。
「理乃ちゃん、そのまますぐ洗面所まで行って!お風呂沸いてるから入っちゃって!」
「すみません。そうします。」
優弥が雨に濡れたスクバを肩から下ろしてくれた。
そしておばさんが持っていたタオルでびしょ濡れのバッグを玄関先で拭き取ってくれてる。
「ごめん優弥…」
「いいから早く風呂入れ」
「うん」
優弥の横を通って私は脱衣所まで小走りで行った。
勝手知ったる優弥の家。
とは言え、優弥の家のお風呂に入るのはどれくらいぶりだろうか。
そんな事を考えながら、さっさと入ってお礼におばさんの手伝いしなきゃと濡れた制服を一気に脱いだ。