長い梅雨が明けた日
「すみません。お風呂ありがとうございました」
リビングに入って声をかけるとすぐにおばさんが返事をしてくれた。
「あら。やっぱり優弥の服だとちょっと大きいわね…私のワンピースのが良かったかしら?」
私を見たおばさんが気を使ってくれるけど。
「この服のがいいです。家でもスカートなんて滅多に履かないから」
「えー?でも理乃ちゃんが着たら似合いそうなワンピースあるんだけど…」
「私なんか似合わないですよー。それより夕飯の準備手伝います」
そう言ってキッチンに並ぼうとしたが優弥に止められた。
「理乃、お前課題は?おばさん帰り遅いんだろ?やるなら見てやろうか?」
「えっ?本当に?」
珍しく優弥から勉強を見てくれると言ったから思わず乗り気になってしまった。
でも、びしょ濡れの私を家に入れてくれてお風呂まで借りてるからお礼を優先しないと…。
そんな思いで優弥からおばさんへと視線を移したが、おばさんも「課題あるなら先に終わらせなさい」と言うので素直に優弥に勉強を見てもらうことにした。