長い梅雨が明けた日
そんな優弥の違和感に気付いた私は視線を少し上げた。
するとすぐに優弥と視線が絡む。
切れ長だけどくっきりとした二重の瞳。
幼い頃から見ていたはずの瞳。
その頃はもっと女の子みたいに可愛い瞳だと思っていたけど…
少し大人になった瞳を無言でまじまじと見ていた。
「本当、お前は全っ然変わんねぇな…」
ぼそりと呟いた優弥が視線を逸らした。
と思ったら。
ちゅっ。
と音が聞こえたと同時に右頬に柔らかい感触が一瞬だけ触れた。
そしてまた優弥と視線が合う。
けどその優弥の顔は悪戯っ子のような不敵な笑顔。
「案外簡単に出来るもんだな」
その呟きがどういう意味かと考えようとした時、起き上がった優弥の手にノートがあるのが見えた。
あ。
ノートっ!!!