長い梅雨が明けた日

「理乃ちゃん、ご飯出来たから食べましょ」


切りの良いところでおばさんの声がしてノートから視線を離した。

ふと見ると、横にいた優弥と視線が合う。

その時の優弥の顔がなんとなく楽しげに見えた。


今日は機嫌いいのかな?


そう思った時に勉強を始める前の優弥の顔を思い出した。


不敵に笑う顔。


……ってか、その前に何か忘れてる?


思い出そうとして無意識に動かした手は右頬にあった。


あ。

ちゅっ。

って、まさか……。


さっき、頬にキスされてたのっ!?


時間差で思い出したさっきの二人の体制や頬のキスの感触を思い出して急に恥ずかしくなった。


ゆ…優弥が私に?


今までそんな女の子扱いみたいな事をされた記憶が無いから急に恥ずかしくなった。

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