長い梅雨が明けた日
好きな人が側にいるのに私を優先する琴美を見て何故か胸が苦しくなる。
「でも…」
そんな心優しい琴美に心配をかけたくないけど、やっぱり話も気になる。
「だったら神田さんも一緒に白井の家に行けばいいんじゃね?」
今度はブロッコリーを摘んだ河野がそのままブロッコリーで琴美を指しながら話しを続けた。
「俺等4人で一緒に帰って白井は大人しくベッドに入る。神田さんは白井の看病がてらに話し出来るだろ?俺は優弥ん家でゲーム対戦してるから」
そう言うとブロッコリーを口に放り込んだ。
「理乃ちゃん家に?」
琴美が何故か少し嬉しそうに驚く。
「…そうだな。それでいいか?」
優弥も異論は無いようだ。
「うん。わかった」
私もそれが良いと頷いてやっと玉子焼に手を伸ばした。