長い梅雨が明けた日
「何だよ変な事って」
笑いながら河野は私の側に来て琴美が貼ってくれた冷えピタを大きな手でしっかりとおでこにプレスした。
そしてコンビニ袋からポカリを取り出して渡してくれた。
「ったく。お前が風邪ひくと俺のせいになるんだからな」
昨日、傘に入れてくれた河野。
それなのに私が勝手に抜け出て濡れて帰ったんだった。
「…昨日はごめん」
思い出して気落ちした私は素直に謝った。
「いいから早く寝ろ」
布団を引き上げて私の頭に掛けるから大人しくベッドに横になると律儀に布団をかけ直してくれた。
「理乃、また後で来るからな。神田さん何かあったらすぐ呼んで」
優弥も琴美に声をかけると男二人は優弥の家に行ってしまった。