長い梅雨が明けた日

「ごめんね。今度は私が元気な時に家に誘うから…ってか、このままだと琴美にも風邪うつしちゃいそうだよね」

看病とはいえ、か弱い琴美に風邪をうつさないかと急に不安になった。

「全然大丈夫だよ。私あんまり風邪ひかないから。それに理乃ちゃんの看病してうつるなら全然嬉しいよ」

にこにこと微笑む琴美は可愛いけど、風邪がうつって嬉しいとは如何なものか。


でも、本当に嬉しそうな琴美の話しに腰を折りたくなくて微笑んで誤魔化した。


「だからね。理乃ちゃんと気不味くなりたくなくてなかなか言えなかったの」

それが優弥の事だとすぐに分かった。

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