長い梅雨が明けた日
「…琴美、優弥の好きな子…知ってるの?」
無意識に呟いていた声に今度は琴美が慌てだした。
「え!?あ、知ってるというか、優弥くんに告白した時に『好きな子がいる』って言われたからやっぱりなーって思っただけで…」
琴美の慌てぶりに確信めいた気がした。
きっと琴美は優弥が誰を好きなのか知っている、と。
多分、好きな人を見ていたから…
好きな人が誰を見ていたのかも分かったのかも知れない…
私は優弥をそんな風に見た事が無いから全然気付かなかったのか…。
幼馴染みのくせにそんな優弥に気付かなかった事が情けなくなってため息をついた。
こんな私に何を思ったのか、琴美が告白までの経緯を語り出した。