長い梅雨が明けた日
その後、優弥の兄と私の兄も同級生で仲が良いとか、兄は大学生で寮に住んでるとか他愛もない身内話に花を咲かせていた。
「…お邪魔します」
「失礼しまーす」
「こんばんわー」
突然聞こえた声に私と琴美の楽しい会話がピタリと止まった。
優弥と河野とおばさんの声だ。
その声で思わず時計を見たら、既に20時を回っていた事に気付いた。
琴美も同じように時計を見て慌てだした。
「ご、ごめん理乃ちゃんっ!ずっと話してて全然寝られなかったよね…熱があるのに…」
私は琴美をこんな時間まで付き合わせた事に謝ろうと思ったのに…。
あくまでも私の事を考えてくれる琴美に思わず抱きついたタイミングで優弥達3人が部屋に入ってきた。