長い梅雨が明けた日
「理乃ちゃん大丈夫?
あら?理乃ちゃんのお友達?」
リクエストしてたうどんを持ってきたおばさんが琴美に気付いた。
「そう。親友の神田琴美ちゃん」
「琴美ちゃん?見た目だけじゃなくて名前も可愛いのね」
ウキウキと琴美に話しかけるおばさんの横で優弥は私の首筋に触れた。
「…お前ちゃんと寝たのか?」
多分わかっていてそんな事を聞いてくる優弥にムッとして言い返す。
「ちゃんとベッドに寝てたよ」
眠ってはいないけどね。
「それとも神田さんに風邪をうつそうとしてるのか?」
優弥の後ろに立つ河野が琴美を抱きしめたままの私をからかってくる。
でも流石にこれじゃ琴美に風邪がうつってしまうかもしれない…。
仕方なく琴美から手を離して優弥に差し出された体温計を受け取る。