長い梅雨が明けた日

いつもと違う二人の態度



食べ終えた食器を琴美がリビングにいるおばさんの元へと運んで行くと、琴美と入れ違いに河野が部屋に来た。


「ちゃんと薬飲んだか?」

ちょうど薬を手にしてペットボトルの蓋を開けようとしていた時だった。

「今から飲むとこだよ」

タイミングの悪さに軽く河野を睨むと、苦笑いしながら私が持つペットボトルの蓋を開けてくれた。

「…お前に傘を持たせれば良かったな」

ペットボトルの水で薬を飲み込むと河野の呟きが聞こえた。

「別に河野のせいじゃないから」

私でなく部屋に飾ってあるバスケ部の写真を見てる河野に声をかけて立ち上がった。

また優弥に煩く言われる前に大人しくベッドに戻ろうとしたのに。

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