長い梅雨が明けた日
急に恥ずかしくなって慌てて優弥から離れようとした。
けれど。
ビクともしない腕に焦りだした。
中学の時には簡単に抜け出られたのにっ!?
何度藻搔いてもその都度抱きしめる腕に力が籠もる。
その力も中学の時とは違う。
中学の時にはほぼ同じ身長で腕も細かった優弥じゃない。
今は私より10cmも背が伸びて肩幅も腕も逞しくなった優弥。
そう意識すると余計に恥ずかしくなって顔が赤くなった。
こんなんでまた熱が出るとかあり得ないからっ!!
完全に降参した私はかろうじて動かせる左手を伸ばして、男のくせに綺麗な肌の優弥の頬を抓った。
「優弥起きてよ」
何度か抓り直すとやっと薄く目を開けた優弥。
「…理乃」
やっと起きた。
と思ったら、更にキツく抱きしめられて肩に顔を埋めてきたっ!