長い梅雨が明けた日
「優弥っ!起きてるんでしょっ!!」
寝起きの良い優弥が寝惚けてるとは思えなくて藻搔きながら声を張上げた。
「…耳元でデカい声出すなよ」
この野郎。
と聞こえた呟きと同時に更に腕に力を込められた。
それは抱きしめられるなんて言葉じゃない。
抱き絞められた。
文字通りメキメキと音が鳴りそうなくらいの絞めつけ。
「ギブ!ギブッ!」
慌てて動かせる左手で優弥の頭を叩くと首元にピリッと痛みが走った。
「優弥っ…」
絞められた息苦しさから声が思うように出なくなると、ようやく腕の力を緩めてくれた。
息苦しさから開放された私は息を整えながら天井を見つめた。
そんな私を横で見下ろす優弥が不敵に笑った。
「顔真っ赤じゃん」