世界No.1の暴走族と足が悪い一人の少女
奏斗side
寝たか…
姫の紹介のとき、花凜は確かに怯えていた…
倉庫に入った時も…だ。
なんで花凜はそんなにも怯えるのか、それには過去が関係してる。
俺ら楓凜幹部はもちろん、嵐龍幹部である可憐さん達や洸太さん、誠也さん、朔間さんや徠さん、陸さんや舞香さんも知っている。
今はまだ言えねぇが…
花凜は過去に攫われたことがある。
その時からだ…
花凜が人嫌いになり、男性恐怖症になったのは…
幼なじみである俺らや真琴さん達、花凜の兄弟である可憐さんと爽斗、洸太さん、誠也さんや朔間さん、徠さん、更には花凜達のお母さんとお父さん…
即ち、陸さんと舞香さんはすぐに打ち解けることができた…
そりゃそうだろ…
やっと安心出来ただろうから…
あの時の花凜を見てりゃぁ…分かる。
どれだけ辛かったか、どれだけ俺らに会いたかったか…
だからなんだろうな…
陸さんに言われたんだ…
"花凜が退院したら俺が作った楓凜の倉庫に連れてけ"って…
おそらく…楓凜メンバーと触れ合って欲しいんだろうな…
だから声をかけた
それに…姫にしたからといって、お披露目暴走をする気はない…
人嫌いで、男性恐怖症の花凜のためだからな…
そろそろ幹部室に戻るか…
ガチャ
そーっと、ドアを閉める。
爽斗「奏斗、遅かったな…」
奏斗「まぁな…」
爽斗「また考え事か?」
奏斗「あぁ…」
爽斗「あまり花凜のことで思い詰めるなよ?」
奏斗「心配してくれてありがとな」
爽斗「フッ 当たり前だ。
奏斗が倒れたら、花凜が落ち込むからな…」
奏斗「結局は花凜のためだもんな…」
爽斗「あぁ…」
楓斗「ところで、どうすんだ?」
奏斗「何がだ?」
楓斗「花凜のことだよ…」
奏斗「花凜のこと…か…」
鳳舞「公表しない方がいいだろ…」
奏斗「そうだよな…」
爽斗「とりあえず、兄貴達には伝えるか…」
奏斗「爽斗、頼んだぞ!」
爽斗「あぁ!」
奏斗sideEND