世界No.1の暴走族と足が悪い一人の少女

奏斗side

寝たか…

姫の紹介のとき、花凜は確かに怯えていた…
倉庫に入った時も…だ。

なんで花凜はそんなにも怯えるのか、それには過去が関係してる。

俺ら楓凜幹部はもちろん、嵐龍幹部である可憐さん達や洸太さん、誠也さん、朔間さんや徠さん、陸さんや舞香さんも知っている。

今はまだ言えねぇが…
花凜は過去に攫われたことがある。
その時からだ…
花凜が人嫌いになり、男性恐怖症になったのは…

幼なじみである俺らや真琴さん達、花凜の兄弟である可憐さんと爽斗、洸太さん、誠也さんや朔間さん、徠さん、更には花凜達のお母さんとお父さん…
即ち、陸さんと舞香さんはすぐに打ち解けることができた…

そりゃそうだろ…
やっと安心出来ただろうから…

あの時の花凜を見てりゃぁ…分かる。
どれだけ辛かったか、どれだけ俺らに会いたかったか…

だからなんだろうな…
陸さんに言われたんだ…
"花凜が退院したら俺が作った楓凜の倉庫に連れてけ"って…

おそらく…楓凜メンバーと触れ合って欲しいんだろうな…

だから声をかけた


それに…姫にしたからといって、お披露目暴走をする気はない…

人嫌いで、男性恐怖症の花凜のためだからな…


そろそろ幹部室に戻るか…

 ガチャ

そーっと、ドアを閉める。


爽斗「奏斗、遅かったな…」

奏斗「まぁな…」

爽斗「また考え事か?」

奏斗「あぁ…」

爽斗「あまり花凜のことで思い詰めるなよ?」

奏斗「心配してくれてありがとな」

爽斗「フッ 当たり前だ。
 奏斗が倒れたら、花凜が落ち込むからな…」

奏斗「結局は花凜のためだもんな…」

爽斗「あぁ…」

楓斗「ところで、どうすんだ?」

奏斗「何がだ?」

楓斗「花凜のことだよ…」

奏斗「花凜のこと…か…」

鳳舞「公表しない方がいいだろ…」

奏斗「そうだよな…」

爽斗「とりあえず、兄貴達には伝えるか…」

奏斗「爽斗、頼んだぞ!」

爽斗「あぁ!」


奏斗sideEND
< 30 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop