○○の嫉妬
今日の帰り。
「夏希~、一緒に帰ろ~。」
と冬真くんが言った。
いいよ~、って言おうとした言葉を秋斗に被せられた。
「ダメ。俺と先約がある。」
って。
「ちょっ秋斗、約束……んっ。」
口を手で押さえられてしまった。
「帰るよ、夏希。」
と秋斗は私の手を引いて昇降口の反対の方へと歩いていく。
「帰らないの!?昇降口あっちだよ!?」
「知ってる。お前どうして冬真と帰ろうとしてんの。」
「どうしてって秋斗と帰っても面白くないから。」
「俺といてつまんないわけ?」
「つまんなくはない……けどもうちょい私に構ってほしい。」
「……お前どこでそんな可愛い言葉覚えてんだよ。」
「え?」
ってか今、可愛いって言った!
あの秋斗がだよ!
「じゃあもう俺今日から愛情表現するから嫉妬させるな。」
「えっ!嫉妬してたの?」
「今更。」
今日から楽しくなりそうです。