きみは微糖の毒を吐く



「……鈍すぎてびっくりするわ」

「え?」

「別にみんなに祝われなくていーよ」

「じゃあ何で、」





「……お前が、忘れてると思った、から」







決まり悪そうに目を逸らして。
前髪を手でいじって、顔を隠して。



そんなこと言うから、びっくりして、可愛くて、不意打ちの絢斗くんにぎゅん、と心臓が射抜かれた。





「なに、それ……」





私に祝ってほしかったの?

私が祝ってくれないと思って落ち込んでたの?


そんなの、そんなの、嬉しくて泣いちゃいそうだ。




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