きみは微糖の毒を吐く



「忘れるわけ、ないのに」

「……会いたいとも言ってこなかったし」


「18日空いてる?って聞こうとしたら、仕事だって言ってたから!」



「それでも言えよ、仕事の後でも会うに決まってんだろ」



「……決まってるの?」

「……」

「ふふ、嬉しい」




まさか、記念日とか誕生日とか、全然興味なさそうな絢斗くんがそんなこと思ってくれてたなんて。




「絢斗くん、誕生日とか気にするんだね」



「しねーよ、いつもは。
誕生日なんて1個歳とるだけの日だろ」



「……それでも私におめでとうって言われたかったの?」



「何余裕な顔してんの、ムカつくんだけど」




ごめんね絢斗くん、今は睨まれても可愛いだけだよ。



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