きみは微糖の毒を吐く
「え、柳……?」
「ごめん、いい?」
「あ、うん、わかった……」
絢斗くんに見つめられて、宮崎くんは少し気まずそうに席を立った。
「あ、絢斗くん窓側どうぞ!」
「お前が座れよ」
「え、でも……」
「通路側のが好きなの?」
「そういうわけじゃないけど、絢斗くんに、その、私の隣で快適だったなと思ってほしいというか……」
自分でも何を言っているのか分からなくなって、小さくなる語尾。
絢斗くんは「は?」と眉をひそめた。
「意味わかんねーしさっさと座れよ」
「は、はい!」
絢斗くんの圧に負けて、窓側の席に座る。
右側に絢斗くんが座っている。それだけで頭は真っ白で、どうしたらいいのかわからない。