きみは微糖の毒を吐く
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「ねえ木村さん、班行動の時だけど……」
話しかけてくれた宮崎くんが、私の近くに来てふと立ち止まる。
「あれ、木村さんその匂いって……」
「え……」
匂いって、もしかして絢斗くんの香水のことかな?
昨日よりずっと薄れてしまっているけれど,まだ少しだけ残っている。
「……そーいうこと」
と、突然、向こうのほうにいたはずの絢斗くんが私の隣に立って宮崎くんにそう言った。
「え、なにが?」
私が不思議に思いながら絢斗くんを見上げるけれど、宮崎くんは何かを察したように驚いていた。
「……なるほど、そういうことね。
わかったよ、ごめん柳」
「わかったらいーよ」
「意外だな、柳って独占欲とかなさそうなのに」
「ふつーにあるよ」
私を差し置いて、会話が通じている2人。
「え、なんの話ししてるの?」
「お前には関係ねー」
よくわからないけれど、絢斗くんがぽん、と頭を撫でてくれたから嬉しくなってしまう。
私ってちょろいなぁ。
それから班行動の時、宮崎くんは少し元気がなかった気がするけど、2人の会話はどういう意味だったんだろうか。