きみは微糖の毒を吐く


最近はドラマの撮影で忙しくて、絢斗くんはなかなか学校に来ない。

学校に来たとしても他の人に囲まれているから、私とは喋らない。

放課後も休みの日もあまり会えていないから、もう絢斗くんに忘れられていそうな気さえする。


……いや、それはさすがにないと願いたいけど。




絢斗くんが私と外デートしてくれないのって、私が彼女って知られるのが恥ずかしいからかなぁ。


あんなに格好いい絢斗君の隣にいるのがこんな普通の私なんて、確かに恥ずかしいのかもしれない。


服もオシャレなわけじゃないし、顔だって普通だし、何の取り柄もないし。


絢斗くんの隣に並んでも恥ずかしくないような女の子だったらよかったのに。


……紗英さんだったら、きっと大丈夫なんだろうな。





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