きみは微糖の毒を吐く
「私もふたりがそうだったらいいなって思ってたの!だって私と乙葉が仲良くなるきっかけをくれたの絢斗くんだし、乙葉が転校してきた時からずっと、絢斗くんって乙葉のこと気にかけてるなあって思ってたんだよね」
「え、気にかけてる……?」
私が不思議に思って聞き返すと、悠里ちゃんは思い出すように話してくれた。
「絢斗くんって基本的に誰にも興味なさそうだったんだけど、乙葉が転校してきてからは話しかけるタイミング探してるみたいだったっていうか……。
そもそも私と乙葉をが仲良くなれるきっかけをくれたのも絢斗くんだし、乙葉が1人でいるの気にしてたんじゃないかなぁ」
「そう、なの……?」
思いがけない言葉に、目を見張る。
「だから絢斗くんが乙葉のこと好きって、すごい納得かも」
「いや、好きではないかもしれないんだけど……」
「え?」
「……絢斗くん私のこと、別に好きじゃないんだろうなって。まあ、それでも付き合ってくれてるだけで奇跡だし、嬉しいんだけどね」
私が苦笑いすると、悠里ちゃんはえー、と納得できない声を漏らす。