きみは微糖の毒を吐く



「そういえばドラマ、見たよ」

「あー、見たんだ」



見るに決まってるじゃん、と思ったけれど、少し照れたような顔をしていたから突っ込まなかった。



「絢斗くんって演技もできるんだね」

「できてた?」

「うん、紗英さんに感情移入してキュンキュンしちゃった」

「へえ」



早く会話を終わらせようとするのも、照れ隠しなのかな。



「……お似合いだよね、紗英さんと」



無意識にそう呟いてしまってから、しまったと口を閉じるけれどもう遅い。

今の、すごく感じ悪かったかな。



< 182 / 279 >

この作品をシェア

pagetop