きみは微糖の毒を吐く



「せめてお金は私が……」

「お前よりは俺のが稼いでるから」




そりゃあ、モデルもやっててドラマにも出てる絢斗くんと比べたら私なんてめちゃくちゃ貧乏だけど。

だけどこれ、絢斗くんからのプレゼントってことになるのか。そんなの嬉しすぎる。




「……ありがとう、絢斗くん」



こんなに可愛い服、私に似合うと思ってくれて。隣を歩かせてくれて、ありがとう。




「あれ、もしかしてあれって柳絢斗!?」
「え、まじ!?ドラマ出てる人だよね?」




ふたりで並んで歩いていると、少し遠くから聞こえた声。

驚いて振り返ると、他校の女子高生たちがこちらを見て騒いでいる。




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