きみは微糖の毒を吐く
「うわー、可哀想」
「でも仕方ないよね、梨乃ちゃんずっと風間くんのこと格好いいって言ってたし」
そんなこそこそした話し声が後ろの方から聞こえる。
……今考えても、どうしたらよかったのか分からない。
私が悪かったんだろうか。
風間くんとはほとんど喋ったことがなかったけれど、それでも、友達の好きな人を奪ってしまった私が悪いんだろうか。
でもきっと、そうだったんだろう。
それからの日々は、私はずっと1人だった。
梨乃ちゃんは私をいないものとして無視して、サクラちゃんとモエちゃんも最初は少し気にしていたものの、少ししたら私のことは忘れたみたいに関わらなくなった。
遠足の班決めも、近くの席の人とペアを組んで、なんて時にも。
「乙葉は男子と組めばいいよね」
なんて言われて1人だった。
梨乃ちゃんはクラスでもリーダー格の女の子だったから、梨乃ちゃんが嫌いだと言った人のこと、クラスの女の子はみんな嫌いだ。