きみは微糖の毒を吐く



私はずっと自分の席に座っているようになって、昼休みには教室から出て空き教室で1人でお弁当を食べたりした。


人に話しかけた時に、返事が返ってこない恐怖を未だに忘れられない。



ちらりとこちらこちらを見て、それから向けられた背中がどれだけ冷たいか、忘れられない。


今でも思い出したら震えるくらい、毎日が苦しかった。





「おい、木村さんのこと無視するのやめろよ。俺が勝手に好きになっただけなんだから」




風間くんは梨乃ちゃんたちの前でそう言ってくれたけれど、もちろんそんなのは逆効果で。




「いいね、男子に守ってもらえて」
「男好き」



なんて言われる頻度が増しただけだった。


男子の前ではそこまであからさまじゃないけれど、女子だけの間での無視はさらに陰湿になっただけだった。




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