きみは微糖の毒を吐く
もちろん、風間くんは悪くない。
初めて私なんかを好きになってくれた人で、それは純粋に嬉しくて、ただ私を好きになってくれただけだから、何も悪くなくて。
梨乃ちゃんだって、風間くんが好きだっただけで。
……じゃあ悪いのはやっぱり私なんだろうか。
私さえいなければ、風間くんも梨乃ちゃんも傷つかなくて済んだのかな。
あまりにも「人の男を取った」と言われすぎて、本当に私が全部悪かったような気がしてきて。
毎日、ご飯を食べるのもつらくて、眠れなくて、それでも学校を休むこともできなくて。
生きてるのか死んでるのかわからないくらい、ぼーっとしたまま毎日を送っていた。
居場所なんてどこにもないと思ってた。
──そんなある日のことだった、あの本と出会ったのは。