きみは微糖の毒を吐く




世界のどこにも自分の居場所なんてないんじゃないか、本当の自分なんて誰も好きになってくれないんじゃないか。


そう思っていた少年が、雨の日に家を飛び出して逃避行をする中でいろいろな人に出会って、世界は自分が思っているよりもずっと広いことを、自分の周りの人だけがすべてじゃなくて、どこかに自分の居場所はあることを知る話。





学校だけが世界の全てみたいに思っていたけれど、世界にはクラスメイトしかいないような気がしていたけれど。


きっとそうじゃない。


一歩外に出ればもっとたくさんの人がいて、高校なんて卒業してしまえばたった3年間の短い出来事だ。


そう思えたのは紛れもなくこの本のおかげで、この本と出会わせてくれた、あの男の子のおかげだった。


……あの男の子は、どんな孤独を抱えていたんだろうか。



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