きみは微糖の毒を吐く



「で、乙葉に何の用」



敵意むき出しの絢斗くんの鋭い言葉に、風間くんは少し後ずさる。



「えっと……久しぶりに木村さんに会いたくて」

「もう話し終わった?」

「え……」


「早く帰ろーぜ、乙葉」




絢斗くんはそう言って風間くんのことをちらりと見て、それから私の腕を引っ張って帰り道を歩き出した。


ちょうど下校時刻から外れた時間だったから人気は少ないものの、生徒が誰もいないってわけじゃない。


それなりに注目されながら絢斗くんと歩いて、私の帰り道と絢斗くんの帰り道との分岐点に着く。




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