きみは微糖の毒を吐く
無糖の嫉妬



それからも風間くんは、毎日のように私に会いに来た。



「木村さん、途中まで一緒に帰っちゃダメかな?」

「風間くん、部活は大丈夫なの?」

「……休んで来てる。どうしても木村さんと話したくて」

「部活頑張ってるんだから、今からでもちゃんと行ったほうがいいよ」

「じゃあまた今度ちゃんと話してくれる?」

「……わかった、から」




こんなやりとりをしつつも、風間くんは何回も私に会いに来る。

そのことはクラスでも少し噂になっているみたいで、「毎日校門に来てるのって彼氏?」なんて聞かれることが増えた。


風間くんは無理に話そうとするんじゃなくて私の気持ちが落ち着くのを待ってくれているみたいで、おかげで少しずつ風間くんと話すことができるようになってきた。



今までは前の学校の制服を見かけただけで胸が苦しくなっていたから、大きな進歩だと思う。




< 218 / 279 >

この作品をシェア

pagetop