きみは微糖の毒を吐く
「あれ、知らないの?絢斗くん何日か前から撮影が忙しくて学校あんまり来てないよー。来ても午前だけとか午後だけとかで、すぐ帰っちゃってる」
「あ……そうなんだ」
ほっとしたような残念なような気持ちを抱えて頷く。
「もしかして絢斗くんと何かあったの?」
「あった、というか」
もうだめかもしれない、というか。
なんて答えたら良いのか迷っていると、クラスの中心で女の子たちが「え!?」「嘘でしょ!?」と声を上げた。
悲鳴みたいな声も聞こえて、みんなが「どうした?」と集まっている。
「見て、絢斗くんの熱愛報道!」
中心にいた三島さんが泣きそうな顔でスマホを見ている。
みんなもえ!?と驚いてスマホを開いて、SNSのトレンドを見て驚いている。
私と悠里ちゃんも顔を見合わせて、慌ててスマホを開く。
トレンドトピックの欄に『ドラマ出演中の人気モデル・熱愛発覚』の文字。記事をタップして読んでみる。