きみは微糖の毒を吐く



絢斗くんはもう紗英さんのものなのかもしれないのに、私と話してくれるのかな。


絢斗くんはもう、私のこと嫌いなんじゃないのかな。




もう一度スマホの画面を見たら、絢斗くんと紗英さんが楽しそうにショッピングデートをしている写真があって、また涙がにじむ。


私も絢斗くんとショッピングデート、1回だけしてもらったな。


絢斗くんにとってショッピングデートは私だけとの思い出じゃないんだな。


私が絢斗くんのこと考えて眠れなかった夜に、絢斗くんはもう紗英さんと付き合ってたのかな。


いろんなことをぐるぐる考えて、もう何もわからなくて、ただひとつわかるのは、絢斗くんと紗英さんはお似合いだってことだけだった。


写真の中の絢斗くんはいつも私といる時と違って、ちゃんと笑っていた。




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