きみは微糖の毒を吐く




今まで何もなかったのに、今になって急に会いに来るなんてどうしたんだろう。

3人は目を見合わせて、話し始める。




「実は昨日、こっちの学校に柳絢斗くんが来て……」



「え!?」



思わぬ名前に、目を丸くする。絢斗くん、昨日は仕事があって授業に出てなかったのに……。


放課後は空いてたから、風間くんたちの学校に行ったってこと……?




「それで色々話したら、「アイツ今もすげえ気にしてるしトラウマになってるみたいだから、もし悪いと思ってたら話しに行ってやって」って言われたんだよね」




サクラちゃんの言葉に、胸の奥がぎゅうっと熱くなる。絢斗くん、そんなことしてくれたの?





「乙葉が転校してからずっと気になってたんだけど、謝りに行く勇気がなくて……でも昨日柳くんがそう言ってくれて、やっと勇気が出たっていうか。本当にごめん。

乙葉は何も悪くないの、私たちが悪かっただけなの、私たちが言うのも違うけど、乙葉は本当に優しくて可愛い女の子だから、人の男を取ったとか、そんな風に思わないで」





泣いているモエちゃんに、つられるように泣きそうになる。


そうなの?私が全部悪かったわけじゃないって、思ってもいいの……?




< 247 / 279 >

この作品をシェア

pagetop