きみは微糖の毒を吐く



「木村さん、本当にごめん。俺が勝手に好きになったのが悪かったんだ、しかもみんなの前で何も考えずに告白して、木村さんに嫌な思いさせて……」



風間くんまで泣きそうになっている。



「梨乃にももう乙葉に関わらないように言っておくから、だから大丈夫だよ」



3人の言葉に、溜まっていた涙が頬を伝った。




「っ……ありがとう、でもみんなも悪くないんだよ。梨乃ちゃんに逆らってと喋ってたら、今度は2人がどうなるかわからないし、あの状況で私を無視するのは仕方なかったんだんって、今はちゃんとわかってる。サクラちゃん、モエちゃん、わざわざ謝りに来てくれてありがとう」




「乙葉……」

「ありがとう」


それから、泣きそうな顔の風間くんの方を見る。




「風間くんも、私のこと好きになってくれてありがとう。その気持ちは本当に嬉しかったよ、だから好きになったのが悪いなんて、自分のこと責めないで」




そう言って笑ったら、風間くんは頷きながら涙をこぼした。男の子が泣いてるのを、私は初めて見た。



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