きみは微糖の毒を吐く


「なんか……強くなったね、乙葉」

「そうかな?」

「それって柳くんのおかげ?」

「え……」


目を丸くする私に、優しく笑う3人。



「俺にはクラスメイトって紹介したけど、本当は彼氏なんだろ?お似合いだよ」


「え、え」


「わかるよー。わざわざ私たちの学校まで話に来たりしないでしょ、普通。話してる時も本当に乙葉のこと大切なんだなぁって伝わってきたし」




「あはは……そう、かな」




へらりと笑って誤魔化してしまうけれど、絢斗くんをまだ彼氏と呼んでいいのか、私にはわからなかった。


だってもう、紗英さんの彼氏なのかもしれないし。





「今日は来てくれてありがとう」


「こちらこそだよ、本当にごめんね。
謝って済むことじゃないけど……」


「ううん、大丈夫だよ。
……またね、元気でね」





3人とは少し話してから別れた。

これから先、また会うことがあるのかどうかは分からないけど、私の心の中につかえていた黒くて重いなにかは、少しだけ軽くなった気がする。



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