きみは微糖の毒を吐く
『好きな女の子のタイプは?』
『自分に自信がないけど、意外と芯はしっかりしてて、真っ直ぐで癒し系の子です』
『ずいぶん具体的ですね!好きな子いるんですか?』
『いますね』
『それって今噂の紗英さんですか!?』
『いえ、紗英とはそういうのじゃないです』
『他の女の子ってことですね!じゃあその子を好きになったきっかけは?』
『俺の好きな本を読んで、好きになってくれたのがきっかけです』
『本好きなんですか?なんの本読むんですか?』
『雨空の下で、って本です』
そこまで読んで、もしかして、と思う。
ドクンドクンと心臓が鳴って、手が震える。
絢斗くん、ねえ、絢斗くん。
私の中で生まれていた「もしかして」の可能性が膨らんでいく。