きみは微糖の毒を吐く
数週間ぶりの絢斗くんの部屋はなんだか懐かしくて、いつもより少し散らかっている印象を受けた。
絢斗くんは上着を脱いだり、荷物を置いたりして、やっと私が座っていたソファーの隣に座った。
いつもならもっと近くに座ってくれるのに、今日は少し空いた隙間に寂しくなる。
「……で、何」
話を促されて、言葉に詰まる。
何から話せばいいんだろうか。
衝動的に家を飛び出してきてしまったから、あまり言葉がまとまっていない。
だけどそんな私を急かすこともなく、絢斗くんは次の言葉を待っていてくれる。
ああもう、そういうところが……。
「……好き」