きみは微糖の毒を吐く
蜂蜜の体温




絢斗くんが私を好き。


もしそうだったらいいなってずっと思ってたけど、そんなわけないなとも思ってた。



だけど、絢斗くんが、俺もって言ってくれた。ひとつのソファーに並んで座って、さっきは空いていた隙間が埋まって、私いま、人生でいちばん幸せだ。





ちらりと隣を見たら、絢斗くんと目が合って。



「何だよ」

「夢みたいだなって、思って……」

「そーだね」

「!?」



そーだねって言った!?

絢斗くんも夢みたいって思ってくれたってこと……?




ドキドキして目を合わせられなくて、きょろきょろと部屋を見回す。


そこで、紗英さんからの誕生日プレゼントのスウェットが目に入って。


そ、そうだ、紗英さん……!




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