きみは微糖の毒を吐く
「……あの、」
「なに」
「紗英さんとのスキャンダルは……」
恐る恐る聞くと、絢斗くんは眉根を寄せた。
「デマだけど」
「デマなの……?」
「ドラマの話題作りじゃねーの」
「そ、そうなのか……」
「まだ疑ってんの?」
「疑ってる、っていうか」
「じゃーヤキモチ?」
にやりと笑う絢斗くんは、ぐっと距離を詰めて。したり顔で私を見る。
その表情すらも格好良くて、もう本当に……。
「ず、ずるい……」
思わずこぼれた声に、絢斗くんが拗ねた顔をする。
「は?お前だろ」
「え……」
「俺のこと好きだって言うくせに俺の気持ちは信じねーし、めちゃくちゃ煽るくせに最後まではさせねーし、何なの?それ全部計算?」