きみは微糖の毒を吐く



「ん、っう」

「……かわい」




耳元でささやかれる言葉に、また体の奥が熱くなる。

急に甘くなった絢斗くんに、もう心臓が持たない。




「……その顔、好き」





泣きそうな私の顔を見て、とびきり優しい声で。


絢斗くんがそんなこと言うから、もうこの猛毒からは逃げられない。





「脱がせてよ」





絢斗くんが意地悪な顔で私の身体を起こして、自分のトレーナーの裾に私の手を持ってくる。





「ぬ、脱がすって……」




恥ずかしくてそんなことできない、けど。

私だって早く絢斗くんに触れたかった。





意を決して絢斗くんの服を脱がせたら、また押し倒される。

絢斗くんの綺麗に筋肉の付いた身体が、ベッドに沈む私に覆いかぶさる。




< 269 / 279 >

この作品をシェア

pagetop