きみは微糖の毒を吐く
1割の糖分
「あ……絢斗くん、おはよう」
朝、眠い目を擦りながら登校して、下駄箱で靴を履き替えていた時。
いつもは時間ギリギリになってからも焦りもせず、気だるげに登校してくるはずの絢斗くんと会った。
絢斗くんと下駄箱で会うなんて、珍しい。
こんなに朝から会えて嬉しいな、と思いながら挨拶したら、絢斗くんは面倒くさそうに私に顔を向けて「おー」と適当な挨拶をした。
「今日は来るの早いね」
「6時くらいに起きて寝れなかった」
「ええ、珍しい」
ふたりともローファーを上靴に履き替えて、私たちの教室に向かって階段を上る。
絢斗くんは私を待つこともなくさっさと歩いて行ってしまうから、慌てて追いかけて隣に並んだ。