きみは微糖の毒を吐く
片手に有名なカフェのフラペチーノを持った彼女が、怪訝そうな顔で私を見る。声が出なくて、思わず視線を外す。
「何してんの?こんなところで」
ゆっくり私に近づく足音すら、怖くなって足が小さく震える。
「ああ、転校先ってこの辺りなんだっけ。
そっちでは友達出来た?」
にっこりと、笑顔を浮かべて。だけどその瞳の奥は、少しも笑ってなんかいなくて。
私のこと、嫌いだって気持ちが伝わってくる。
「……っ、や、」
やめて、話しかけないで。
そう思うのに、言葉が出てこない。
周りが真っ暗になった気がして、逃げ場のない場所に追い詰められている感覚に陥る。