きみは微糖の毒を吐く
「それともまた友達に嫌われちゃってる?」
楽しそうに私の顔を覗き込む彼女。
その表情があの時の顔と重なって、瞳に涙が溜まる。
「おーい梨乃、どうしたの?」
少し先にいた女の子が彼女に声をかけて、「はーい」と彼女も答える。
「呼ばれたから行くわ。またね、乙葉」
にやりと笑って、彼女は短いスカートを揺らしながら去って行った。
そのセーラー服が見えなくなった瞬間、がくりと膝から力が抜ける。
はぁ、はぁ、と浅い呼吸を繰り返して、近くに合ったベンチに座った。
気持ち悪い、頭が痛い、くらくらする。
頭の中がぐちゃぐちゃで、さっきの彼女の楽しそうな表情が頭に焼き付いて離れなくて。
泣きそうになりながら下を向いていた私に、影が落ちた。
「……乙葉?」