きみは微糖の毒を吐く
「そうだ、お茶持ってたわ」
絢斗くんは思い出したように自分の鞄の中からペットボトルを取り出して、私にくれる。
「飲みかけで悪いけど」
飲みかけの、お茶。それって間接キスじゃないかって、思えた私は随分落ち着いてきたのかもしれない。
もらったお茶を飲んだら、息もしやすくなった。
「……ごめんなさい、迷惑かけて」
うつむく私に、絢斗くんは呆れた顔をする。
「こんなことで怒らねーよ」
いつも学校じゃ喋ってもくれない絢斗くんが、ショッピングモールのベンチで隣に座っている。それってすごいことだ。