きみは微糖の毒を吐く



「……なあ、何かあったの?」




私が少し落ち着いてから、絢斗くんが切り出す。



「……なんでも、ない」




何でもないは、無理がある。

自分でもわかっているけれど、絢斗くんには何も知られたくない。


どうして私が転校してきたのかも、今日何があったのかも。




頑なに口を閉ざす私に、絢斗くんはため息を吐いた。




「……お前、全然従順じゃないよな」




今日の修学旅行の班決めの時の話だろうか。

従順そうって、言われたんだっけ。


でも絢斗くんにとって私は都合のいい女かもしれないって思っても、ちゃんと周りに秘密にするって約束守るくらいには従順だよ。



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