きみは微糖の毒を吐く
「ごめん私、ちょっと飲み物買ってくるね」
「うん、わかった。一緒に行こうか?」
「すぐそこの自販機だから平気。ありがとう」
悠里ちゃんに断ってからその人込みを抜けて、公園の隅にある自販機に向かった。
お気に入りのミルクティーを買って、遠くからその一角を眺める。
撮影場所に集まるたくさんの女の子たち。これが絢斗くんの人気だ。
同じ学校の女の子だけじゃなくて、他校の女の子もたくさんいる。
それだけ多くの女の子が絢斗くんのことを好きで、私はその中から絢斗くんに選んでもらえるんだろうか。
そう思うと不安で、苦しくて、消えてしまいたくなる。
「ねえ、絢斗、聞いてる?」
自販機の向こう側にある物陰からそんな声が聞こえて、思わず視線を向ける。