きみは微糖の毒を吐く
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「あ、あの、絢斗くん」
授業が終わってすぐに、少し離れた絢斗くんの席に駆け寄って声を掛ける。
いつもだったら私たちの関係が周りにばれないように、みんなの前で話しかけたりしないんだけれど。
今日はなんだか焦っていたのと、たまには話しかけてもいいよね、クラスメイトなんだし話すこともあるよね、って気持ちがあったから。
「……なに」
絢斗くんは授業中は寝ていたのか、気だるそうに体を伸ばしながらちらりと私を一瞥した。
「あの、18日なんだけど」
空いてる?って、聞こうとした瞬間。
「あー!そうだ絢斗ってもうすぐ誕生日じゃね!?」
絢斗くんの後ろの席に座っていた男の子が、スマホから顔を上げて大声を出す。